目標2『飢餓をゼロに』
ここではSDGsの目標2『飢餓をゼロに』についてのターゲットや
世界と日本の現状、食品ロスや食料自給率について説明していきます。
目標2のポイント
- すべての人に安全で栄養のある食料を確保する
- あらゆる形の栄養不足を解消する
- 持続可能な農業を進める
そもそも飢餓とは?
飢餓とは、十分な食べ物を食べられずに栄養不足になり、健康を保つことができなくなった状態のことを言います
目標2のターゲット
「飢餓をゼロに」には8つのターゲットがあります。「2-1」のように数字で示される目標が5個、「2-a」のようにアルファベットで示される実現のための方法が3個で構成されています。
2-1
2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱(ぜいじゃく)な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
撲滅…完全になくすこと
脆弱…もろくて弱いこと
2-2
5歳未満の子供の発育障害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不足を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び栄養ニーズへの対処を行う。
消耗性疾患…慢性的な病気があり、それにより体力・免疫力が落ちている状態
2-3
2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化(こうふかかちか)や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
付加価値…生産によって新たに加えられた価値
2-4
2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的(ぜんしんてき)に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(きょうじん)な農業を実践する。
漸進…順を追って少しずつ進んでいくこと
強靭…強くしなやかで粘りのあること
2-5
2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培食物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平(こうへい)な配分を促進する。
バンク…銀行
近縁…生物種の分類で、両者が近い関係にあること
衡平…つりあうこと
2-a
開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
インフラ…インフラストラクチャーの略。水道・ガスなどの社会基盤
ジーン・バンク…遺伝子銀行
2-b
ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置(そち)の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物における貿易制限や歪みを是正(ぜせい)及び防止する。
措置…解決するために取り計らうこと
是正…誤っている点をなおして正しくすること
2-c
食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
デリバティブ…株式、債券、金利、通貨、金、原油などの原資産の価格を基準に価値が決まる金融総称のこと
どのくらいの人が飢餓に苦しんでいるの?
飢餓はどの地域に広がっているの?
飢餓人口はどの地域がもっとも多いの?
飢餓の原因は?
食料不安を抱えている人の割合は?
COVID-19 の影響は?
世界で栄養不足に陥った人の数は?
日本の現状
「豊かな日本に飢餓なんてない」そんなふうに思っていませんか?しかし、2016年には食料不足によって亡くなった人が15人いたと記録されています。飢餓は世界の問題だけでなく、日本の問題でもあるのです。
日本においては「相対的貧困層の飢餓」というものがとても問題視されています。
この「相対的貧困」というのは、その国の基準において貧しい状態を指します。日本では15%の人が相対的貧困状態にあると言われており、特に家庭内の子どもが満足に食事を得られないことが社会問題となっています。
十分に食べることができず、栄養失調や病気にかかりやすくなる子どもが増えているのです。
日本の場合、見た目だけではその人が相対的貧困にあるかは気づきにくいです。それは携帯電話や服などの身なりを整える分、食費を削っている場合が多いからです。
また近年では、一人暮らしの大学生が、食費を削って生活し栄養に偏りがあることも最近では問題視されています。
食料自給率
食料自給率とは?
国内で消費された食料のうち、国産の占める割合のことを食料自給率と言います。
日本の食料自給率
農林水産省の発表によれば、2020年どの日本の食料自給率は37%(カロリーベース計算)と、過去最低を記録した2018年と同水準に再び下がりました。
日本の現状
日本の食料自給率は主要先進国の中でも最低の水準であることは知られています。海外依存度が高ければ高いほど、輸入元の国が不作になってしまったり、戦争などの情勢によって輸入ができなくなったりすると、途端に食料不足になってしまいます。
食料自給率の変化
戦争直後の日本の食料自給率は88%でした。ところが1965年度に73%の水準を記録してから、緩やかに下がり始め、2000年度以降は40%前後でほぼ横ばいになっています。
他の国の食料自給率
カナダの食料自給率は266%、オーストラリアは200%、アメリカ132%フランス125%(農林水産省計算)などとなっており、日本との差は歴然としています。
日本の食料自給率が他国に比べて低い理由
日本の食料自給率がここまで下がってしまった要因として考えられているのは急激な食生活の変化です。かつて、日本人の主食といえば米でしたが、戦後の復興に伴い国が次第に豊かになっていくと食生活が欧米風に変化していきました。米の消費が減る一方で、肉やパンの需要が急激に増えていったのです。その影響から輸入が増え、食料自給率は下がってしまいました。
食料自給率があがらない原因①
食料自給率が好転しない理由としては、高齢化による農業生産者の減少、またそれに伴う耕作放棄地域の増加といった農業そのものの衰退が挙げられています。
食料自給率があがらない原因②
環太平洋パートナーシップ協定やEUとの経済連携協定により、参加国間での関税がなくなり、海外産の農産物などが輸入しやすくなることも食料自給率が上昇しない原因となります。
フードロス
フードロスとは?
まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。食べ物を捨ててしまうのは、もったいないだけでなく、地球環境にも悪影響が出てきています。
食べ残し、売れ残りや期限が近いなど、さまざまな理由でまだ食べられる食品が廃棄されています。
どのくらい捨てられているの?
国際連合食糧農業機関(FAO)の報告書によると、世界では食料生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が毎年廃棄されています。日本でも1年間に約612万トンもの食料が捨てられており、これは東京ドーム5杯分とほぼ同じ量。日本人1人あたり、お茶碗一杯分のごはんの量が捨てられている計算になります。
食品ロスの発生理由
スーパーやコンビニなどでの小売店での売れ残りや返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品といった事業系食品ロス(328万トン)。もうひとつは、家での料理の作りすぎによる食べ残しや、買ったのに使わずに捨ててしまうこと、料理を作る時の皮のむき過ぎなどの家庭系食品ロス(284万トン)です。
食品ロスの発生理由はほかにも…
開発途上国でもまた、先進国と同様に食品ロスが発生しています。ただし、理由は異なり、せっかく食べ物を作っても技術不足で収穫ができない、流通環境や保存設備、加工施設など社会基盤が整っていないため、市場に出回る前に腐ってしまうなどの理由からやむをえず捨ててしまうことが多いのです。
なぜ食品ロスの削減は必要なの?
食品ロスを放置すると、大量の食べ物が無駄になるだけでなく、環境悪化や将来的な人口増加による食糧危機にも適応できません。食品ロスの削減は、先進国にとっても途上国にとっても避けて通れないさしせまっている大切な課題となっています。
環境を守るために
余った食べ物は、加工業者や流通業者、飲食店、家庭からゴミとして出されます。これらは処理工場に運ばれ、可燃ごみとして処分されますが、水分を含む食品は運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出。また、焼却後の灰の埋め立ても環境負荷につながります。
日本では農林水産省が中心になって、この目標に取り組んでいます。